ホオジロのさえずり

アクセスカウンタ

help リーダーに追加 RSS 和尚様の打つ拍子木の音

<<   作成日時 : 2007/12/02 22:59   >>

トラックバック 0 / コメント 1

この日本で最近目に付くことは豊かな物質文明を謳歌してこれを当たり前と考えて疑おうともしない反面、陰湿ないじめや想像を絶する安易な人殺しさえも横行する殺伐たるニュースがあまりにも多いことにあると思います。どうしてこんな世の中になってしまったのかと深い憂いを感じているのは私だけではないと思います。

何が原因なのでありましょうか?いろいろな要素が重なり一概には申せませんが少なくとも言えることは、終戦直後の何もなかった時代の方が皆が空腹をこらえながら不安の中にも必死になって生きようと、貧しくとも家族や社会が結束していて、今よりはるかに愛と暖かみが感じられた時代ではなかったでしょうか?

今テレビのスイッチを入れますと、「これでもか、これでもかと贅沢を煽るグルメ番組」や豪華でリッチな住まいの描写、癒しを求めた国内温泉旅行や海外旅行、優雅なゴルフに明け暮れる必要以上に羨望をかきたてるような映像、そして凄惨な殺人場面を織り込んで犯人を追及して行くかっこいい刑事さんのドラマばかりです。一般大衆が一番欲するものを放映することがコマーシャル収入に支えられているテレビ局の本質であることを思えば、まさに面白ければ良いとの野放しのマスコミの姿勢こそ衆愚社会を助長する元凶とも言えないこともありません。

でも私は何もテレビ局が一方的に悪いということを申しあげたいのではありません。それを自由に見て楽しもうとする人の心の中に知らず知らずのうちに自制心をマヒさせる退廃性が誰しも存在することにあります。歴史は繰り返すと申します。西ローマ帝国の滅亡の例をあげるまでもなく、どんな時代でも興隆期から爛熟期を迎えた後は必ず退廃と混乱の時代が来るのが歴史の真実のようです。

いつの時代でもとかく人間は「隣の庭のバラの花は赤く見える」もので、他人の生活を羨望する反面、自分より劣った立場の人間に対しては平然と軽んじてさげすんだ顔を浮かべます。そして奢った人間は慢心してだんだんわがままが目についてきます。慢心している当の人間にはその自分自身の姿は見えませんが、蔑(さげす)まれた人間や横柄さを押し付けられた人間にとってみればささいな事でも敏感にそれを感じます。

今から約2400年もの昔にインドのゴータマシッダールタはその本質を捉えて、人々に持戒の重要性を説いて周りました。本来であれば釈迦王朝の皇太子の位の人間として俗世の王朝を守らねばならない立場にあったにかかわらず、全てを棄てて弟子達と僧迦(サンガ)を興し、人としての八正道の大切さとその修行を続けることの重要性を79歳で死の床につくまで一般大衆に説き続けました。

仏教の教えの基本は「人間と言うものは、放って置けば邪悪な鬼と化してしまう、なさけない弱さを誰しも持っていることをまず自覚して、そうであってはならいと自戒して修行を続け、本来己に備わっている他者とは比較すべくも無いとてつもない宝物を所有していることに真に目覚め、併せてこれまた己に備わっている仏性の尊さを導き出し自覚すること」にあると思います。

臨済宗妙心寺派のある座禅会を主催されている和尚様は座禅に入る前に身も心も震撼とさせるような拍子木をピシッと強く厳しく打ち鳴らします。この和尚様の打つ拍子木の音はとにかく気合が入っていると申しますか尋常な音ではありません。この音を聴きますとまさに自分自身に最初に下された鉄槌のような気がいたします。己を見つめて自分自身を厳しく律っしようとすることに始まり何事にも捉われない、そして駄目な己自身にも振り回されない解脱の境地を熱望し体得するこの座禅の修行は自分自身と世の退廃から脱却する為の光明が射す一つの道であると思います。

設定テーマ

関連テーマ 一覧

月別リンク

トラックバック(0件)

タイトル (本文) ブログ名/日時

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(1件)

内 容 ニックネーム/日時
寛人さまのおっしゃる通りですね。
過去の歴史から見るローマ帝国の滅亡からも私達はしっかりと学ばなくてはならないのに、ただうかれているばかりです。マスコミの責任はとても大きいです。全国規模の洗脳ですからね。人は放っておけばどこまでも楽を求め欲を貪り執着し堕落します。私はお釈迦様の教えの中のひとつ、足るを知る、という言葉をいつも心に留めていますが、今回の寛人さまの文章にもそのお釈迦様の教えが含まれていますね。
足るを知る、そして今自分に与えられている事や物をしっかりと見つめ感謝し味わっていきたいです。
愛112
2007/12/03 10:53

コメントする help

ニックネーム
本 文