|
平成3年12月に67才で亡くなられた書家であり詩人であった相田みつをさんが残された言葉は心の底に染み入るものばかりでわれわれ読む者にとって生きて行くための一筋の光明を与えてくれます。 彼のどの詩をとってみても彼が追い求めたものは「自分自身の在りよう、人間の在りようはいかなるものか、そしてこの世をどう観るか」につきると思います。己に厳しく自問自答してたどりついた本物の彼の境地を一つづつ血のにじむような言葉で残していった彼の姿勢はまさに悟りを求めて真摯に修行する人、即ちサンスクリット語でボダイサットバ(これを漢字音写して菩薩)そのものの生き方であると思います。そういう意味で私は彼の残してくれた数々の言葉は観自在菩薩もしくは観世音菩薩の言葉そのものであると思えてなりません。 あの独特の書体で色紙に書かれた彼の詩を多くの方が自分の身近なところに掲げているのを良く見かけます。みなさまそれぞれがご自分に一番あったお気に入りの詩をお持ちかとは存じますが、ここで数ある詩の中から私が最も心を震わせた詩を一つご紹介させていただきたいと思います。これも有名な詩ですので既にご存知の方も多いかと思います。 「つまづいたおかげで」 つまづいたりころんだりしたおかげで 物事を深く考えるようになりました。 あやまちや失敗をくり返したおかげで少しずつだが 人のやることを暖かい眼で見られるようになりました。 何回も追いつめられたおかげで 人間としての自分の弱さとだらしなさをいやというほど知りました。 だまされたり裏切られたりしたおかげで 馬鹿正直で親切な人間の暖かさを知りました。 そして...... 身近な人の死に逢うたびに 人のいのちのはかなさと いまここに生きていることの尊さを骨身にしみて味わいました。 人のいのちの尊さを骨身にしみて味わったおかげで 人のいのちをほんとうに大切にするほんものの人間に裸で逢うことができました。 一人のほんものの人間にめぐり逢えたおかげで それが縁になり次々に沢山のよい人たちにめぐり逢うことができました。 だからわたしのまわりにいる人たちはみんなよい人ばかりなんです。 相田みつを「にんげんだもの」より |
| << 前記事(2007/03/08) | トップへ | 後記事(2007/05/04)>> |
| 内 容 | ニックネーム/日時 |
|---|---|
私も相田みつをさんが好きです。いつか相田みつを美術館で本物の彼の書を見て、とても感動しました。その時たくさんの相田さんの本も買ってきました。 |
愛112 2007/05/03 21:15 |
| << 前記事(2007/03/08) | トップへ | 後記事(2007/05/04)>> |