|
2007年あけましておめでとうございます。 今年は団塊の世代の第一陣が還暦を迎えます。1945年に第二次世界大戦が敗戦という形で終結し、大勢の兵士達が荒れ果てた本土に復員して、貧困と混乱の中でわれわれ団塊の世代は産声をあげました。乳を求めて泣いていた赤ん坊をつぶさに見て「この乳飲み子のわが子を何としても育てなければならない。」とわれわれの親達が強く奮い立ってくれたおかげで今日の日本の平和と繁栄がもたらされたのだと思います。 幾多の戦火を潜り抜けてきた団塊の世代の親達の辛い体験があったればこそ自分の子供達には二度と戦場には行って欲しくなかったろうし、また「戦争などたとえ負けたとしても貧困の中でも、現に家族は何とか生きて行けるものだ」との実感も重なって、アメリカから与えられた戦争放棄の条文を持つ平和憲法を受けて、まずは家族達が食べて行けることだけを考えてがむしゃらに働いてくれたのであります。でも戦争放棄の平和憲法を受けたと言っても実態はアメリカの安全保障条約の武力の傘の下で睨みをきかせていたからこそまだ油断できない国家の残っている国際社会の中で経済活動に専念できたこともまぎれもない事実であると思います。 爾来60年、われわれ団塊の世代は、民主的教育を受けて一度も銃を持って相手と傷つけあう必要もなく社会に巣立ち、親達の世代のしたたかにして頑強で猛烈な指導の下に経済成長の尖兵として物質的な豊かな社会を求めて働き続けました。こうして順風満帆に還暦を迎えられたことは人類史上極めて稀なハッピーな世代であったと言っても過言ではないと思います。医療、年金面においては母数の大きかったことも幸いし、辛酸をなめた親達の世代に対してだけは何とか報いることが出来たことはわれわれ世代の一つのなぐさめでもあります。 さて、「2007年問題」として既に取りざたされているとおり、これから団塊の世代が定年退職の時期をつぎつぎと迎え、社会の第一線から離れて行きますが、われわれに待っている老後の生活は悠々自適などの言葉にはほど遠く、暗然たるものがあります。既に年金制度は破綻寸前にまで追い込まれており充分な生活費を確保する目処すらついておりません。でも「2007年問題」というのは団塊の世代の離職後の生活窮状の問題というよりは、むしろ今まで社会の労働生産の中核として機能してきた階層が大量退職することに伴う労働力不足の問題や技術伝承が充分なされておらないことによる一時的に起こる生産体制の混乱の問題が中心となっています。 これらの問題はずいぶん前から指摘されているにもかかわらず、今まで小泉政権や今回の安倍政権も具体的にして強力な政策を打ち出していないのが現状です。国力の根幹にかかわるような問題ですので、たとえば安倍政権で言えば「再チャレンジ政策」と言ったもの以上に重要な政策テーマであるはずです。もちろんこの分野で各企業の独自のアイデアや人材派遣業等の民間事業機会も大きく広がりますが、そういった「民間まかせの待ちの姿勢」ではなく、税制上もっと強力に支援するとか、活力ある社会を実現すべく再雇用、年金、医療、福祉の諸制度を抜本的に見直して新しい政策を総合的に構築する必要があろうかと思います。 わが国はこれから本格的な少子高齢化社会を迎えます。国際社会に目を向けると中国、インドを始めとした人口大国が社会の壮年期を向かえ、60億人にもふくれあがった地球上の人類はみなそれぞれが豊かな社会を求めて限りある資源の争奪状態にいよいよ拍車がかかっています。 今まで欧米社会では定年退職して年金生活に入るに際してシャンパンを開けてこれからの余暇人生をエンジョイするお祝いをするような風習もあるようですが、残念ながら少なくともこの時代の流れ、特にわが国のわれわれ大半の団塊の世代に対しては、そのような甘い夢を見させてくれそうにないことが現実であります。厳しい現実を直視して、「夢を棄てろ」とまでは申しませんが少なくとも「隠居にはまだ早い」ぐらいの気持ちの切り替えをする必要がありそうです。 最後に私は今から約2400年もの昔に実在した人間お釈迦様の次の言葉がわれわれに対して生きた応援歌のように聞こえていますのでご紹介したいと思います。私もこの言葉をかみしめながら背筋を丸めて杖をつくよりは「背筋を真っ直ぐ伸ばして」歩いて行こうと思っています。 「過去を追うな。未来を願うな。過去は過ぎ去ったものであり、未来はいまだ至っていない。現在の状況をよく観察し明らかに見よ。今まさに為すべきことを、努力して為せ。誰か明日に死あり、死魔の軍と会わぬと知り得よう。昼夜に怠るな。」 中部経典4・131 奈良康明著 NHKブックス「釈尊との対話」よりの抜粋。 |
| << 前記事(2006/12/09) | トップへ | 後記事(2007/02/03)>> |
| 内 容 | ニックネーム/日時 |
|---|---|
明けましておめでとうございます。 |
真山 URL 2007/01/01 16:27 |
日本がなぜ無謀な戦争をしてしまったのか。それを反省するに、福澤諭吉の精神を十分に咀嚼しないまま、妙な国粋主義に走り資本主義の育成を怠ったことが原因ではないかと思うのであります。 |
新進 2007/01/01 17:56 |
謹賀新年 丁亥元旦 |
老司たか志 2007/01/01 18:20 |
明けましておめでとう♪ |
愛 URL 2007/01/02 08:59 |
いつもながらそそっかしい私はまたまた訂正です。 |
愛 2007/01/02 09:02 |
真山さま、 |
寛人 2007/01/02 10:22 |
あけましておめでとうございます♪ |
美華 URL 2007/01/04 16:39 |
美華さま |
寛人 2007/01/04 20:30 |
| << 前記事(2006/12/09) | トップへ | 後記事(2007/02/03)>> |