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help リーダーに追加 RSS 一木造りの名宝「仏像特別展」を見て

<<   作成日時 : 2006/10/15 18:58   >>

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東京国立博物館の平成館に於いて一木(いちぼく)造りの仏像ばかりを日本全国から140体以上も集めた名宝展が10月3日から12月3日まで開かれており仏像好きな私にとっては願ってもない展示会でもあるため早速鑑賞してまいりました。

展示された仏像は奈良時代から江戸時代にかけて造られたものでいずれの像も仏師達により渾身の力と深い祈りが込められて彫られたものであると思うと、像の正面に自分が立った時に思わず静かに手を合わせ祈らなくては居られないような気がしたのは私だけではないと思います。

有名な力強い切り口の円空仏や柔和でふくよかな木喰(もくじき)仏はその中にあって特別なコーナーが設けられており、それぞれ見事なできばえの作品をたくさん集めかなりの見応えがありました。

数ある仏像集団の中で私の目を強く引いたのはこの展示会の目玉展示品と思われる国宝「菩薩半跏像(伝如意輪観音)」一体と木喰(もくじき)が彫ったが木喰仏の集団でした。この二つはその仏像の表情が極めて対照的で、方や菩薩半跏像の凛とした一分の隙も無い菩薩像に対して、方や柔和でふくよかな人間の感情丸出しの菩薩像や羅漢像であったことが印象に強く残った理由ではないかと思います。

「菩薩半跏像(伝如意輪観音)」はさすがに目玉展示品だけあって薄暗い会場の中央に約1m弱ほどの半跏像がやわらかいスポットライトを浴びて左手を胸に、右手を膝に、別々にかざして半跏の格好で座っているお姿が際立っていました。この像は奈良時代から平安時代にかけてカヤと思われる木で彫られたものですが一見青銅製ではないかとまちがう程、にぶく黒光りしていて彫りの深い引き締まった一分の隙もなく瞑想をしているお顔と体に流れるように巻きついた衣のヒダは、まるでガンダーラの仏像のようにも見えます。冒頭に掲げた写真の一番右側に写っているのがこの像ですが京都の宝菩提院願徳寺に収蔵されているもので作者は不明のようであります。

これに対してあまりにも対照的なのが会場の最後に大きなガラスショーウインドウの中で目が覚めるほど明るいライトを浴びてふくよかにわらったり泣いたりして感情むきだしの親しみやすい木喰仏のコーナーでありました。まず説明書きを読んで驚いたのですが木喰という人は江戸時代の1718年に生まれて1810年に数え年93歳もの長寿に恵まれて大往生した甲斐出身の僧侶であります。この仏像を彫り始めたのは、彼が60歳を過ぎてからとのことで北海道から宮崎までの全国を行脚して何と1000体以上の仏像を彫り上げ、さらに大往生するまでの間に2000体達成を目指して情熱をもって彫り続けていたとのことでありました。このことは60歳定年を迎えるわれわれ団塊の世代にとっては大変心強い話でありまして、私もこれを見習ってどんな事でもいいから60の手習いからでも始めて、死ぬまでの間に飯を食うのも忘れるほど夢中になれる何かを持てればこれほど幸せなことは無いなと思いました。とにかく展示されている木喰仏はユニークなものばかりで、衣の袖で顔を覆って泣いている羅漢さんのこっけいなお姿を見た時には思わず笑ってしまいました。また、満面に笑みを浮かべてふくよかに笑っている木喰の仏像群は見ているだけで何とも言えない心安らぐ幸せな気分になりますので「この中の一体を自分で所有して毎日でも眺められたらなあ!」などと欲張った思いを持ちながら東京国立博物館を後にしました。

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トラックバック(2件)

タイトル (本文) ブログ名/日時
特別展 仏像 一木にこめられた祈り(東京国立博物館)
風の強く吹いた日曜日。 ...続きを見る
あお!ひー
2006/10/19 00:19
東京国立博物館で「仏像特別展」を観る!
「仏像特別展」のチラシ裏表 ...続きを見る
とんとん・にっき
2006/11/13 21:19

コメント(8件)

内 容 ニックネーム/日時
初めまして!仏像展のCMを観て気になって調べてみましたら、こちらにきました(*´ー`)
もう観に行かれたのですね〜。いいなぁ〜☆
私は来月行く予定です。
頬白さんのブログでさらにワクワク感は高まってきてます(^▽^*)楽しみです!
あわび
URL
2006/10/17 16:00
コメありがとうございます(=゚ω゚)ノ
とても興味深く素敵なお話でしたぁ
私のブログに奈良の大仏さんをアップしましたが、
二月堂の鬼子母神様にも行ってきました。「オン ドドマリ ギャキティ ソワカ」を唱えてから子宝に恵まれますようお願いしてきました(*´ー`)ちゃんと伝わったかなぁ〜?
また、遊びに来ます!!
あわび
2006/10/17 23:08
秋暑し衣をたくる菩薩かな  たか志

素晴らしい「菩薩半跏像(伝如意輪観音)」の写真を拝見していたら、不謹慎ながら、ふと昨日出会った冬服に衣更えした女学生のスカートをたくる仕草を思い出しました。身奇麗な女学生がスカートをたくるいただけない仕草と思っていましたが、菩薩の半跏趺坐に見本があり、臍だしルックも半裸の姿も皆仏像にあったと今更ながら感心した次第。福岡での展示会はなさそうですね。
老司たか志
2006/10/20 08:54
老司たか志さま
あはは!着想がざん新ですねえ。
われわれが子供のころは「お臍を出していると雷様にとられてしまうよ」といつも母から注意されました。インドの菩薩様達はきっと腹巻なんか必要無かったのでしょうね。大和撫子は世界に誇る名花なのに外来種のブタ草に席捲されてしまってめったに見る事ができなくなってしまったのは残念な限りです。
寛人
2006/10/22 16:11
こんにちは。ご無沙汰しております。
この展覧会には、私も行きたいと思っておりますが、まもなく妻が臨月、地元を離れることもままならなくなってまいりました。
また、奈良では正倉院展がはじまっているのではないかとおもいます。
独身時代は、かかさず毎年足を運んだものですが、夫として父親として、無責任な行動もできません。
修行とは、そういった意味でつらいですね・・・。
真山
URL
2006/11/02 12:41
真山さま
お二人めですね!おめでとうございます。元気な赤ちゃんが誕生されますことを心よりお祈り申し上げます。また東京にいらっしゃる機会がございましたら是非お声をかけてください。お待ちしております。
寛人
2006/11/04 14:40
「一木彫展」見ました。びっくり致しました。素晴らしかった!見に行って良かったです。
私は普通の仏像は、母が彫っていた事もありますし、みな同じように見えてしまって今までイマイチ興味がわかずにおりました。円空だけは、以前、母とどこかで数体見て「いいな」、と思っていましたが、それで終わっていました。

円空、あれほどの数をいっぺんに見ることでやっと彼の仏像なりが少しわかりました。あの時代にあれほどのデフォルメをした、すごい独自性、感性ですね。それとどれもかすかに微笑んでいるように見えます。
美枝子
2006/11/30 04:46
それは木喰も同じですね。木喰は全く知らない人でした。どの仏像様も円空のものよりハッキリと微笑んでいるのが見えます。対面して私もついつられてにこっとしてしまいました。こういう仏様なら、手を合わせていても心和むのではないかと思いました。失礼ないい方ですが、私にはあまりに完成された仏像より、こうしたいかにも心に寄り添ってくれるお姿の像のほうが人の心にすーっと入るのではないかと思いました。
私には完成されすぎているものは、お恐れ多くありがたや、という感じですが祈りの
対象というより美術品と感じてしまいます。木喰のにはそういう疎外感を感じさせるものが無い。こういう仏様はいいなあ。特に三十三観音菩薩は、苦虫を押しつぶしているような表情のもいくつかあり、彼のユーモア、心の大きさ、自由を感じ取れました。

今までどうも仏様は暗くて苦手でしたが、今日は行ってみてよかった。母の心に少し近づけたようで、それも嬉しい事でした。
美枝子
2006/11/30 04:47