ホオジロのさえずり

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help リーダーに追加 RSS 自民党総裁選3候補者の所信表明を聴いて

<<   作成日時 : 2006/09/10 22:22   >>

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去る9月9日に自民党本部に於いて安倍、谷垣、麻生各候補者の共同記者会見が行われ3氏の所信表明をテレビ中継を通じて興味深く拝聴しました。3氏がそれぞれに強調されたお話の中で私は次のような点が強く印象に残りました。民主党の小澤党首は「3候補ともに官僚達におんぶされた政治姿勢であり論評するに値しない。」とバッサリと切り捨てましたが、これは相対する野党党首としてのセリフであることを思えばこういう言い方になるのかと思います。私なりにお聴きした話の内容と受けた印象を整理してみました。

安倍氏はまず@小泉改革路線の継承と経済成長の重視、A日米同盟の基軸の上に立ったアジア外交重視、B憲法改正の実現を最大の目標とすること、C教育改革、D格差を容認しても再チャレンジが誰でも何時でも出来る世の中のしくみの構築、そしてE標語として「美しい国を!」を掲げて安倍氏固有のイメージを創造。印象としては全体的に総花的で実に卒のない多くの自民党員と一般国民の視聴者に気配りした流暢にして重厚なスピーチで従来とかく言われていた同氏の軽いイメージを払拭できたのではないかと思いました。

谷垣氏は@小泉首相の靖国参拝でもたらされた中国、韓国との関係悪化を修復して、日米同盟を基軸としてまずアジア外交の重視、A競争心を過剰に煽った結果もたらされた次代を担う子供達の心の荒廃を防ぐために和の精神を尊ぶ国体の再醸成と再構築、B孫、子の世代に、ツケを廻す財政からの決別、そしてC消費税を福祉目的に限定した上での10%に改定。印象としては「現実に直面している問題をとても良く判りやすい言葉で捉えて、政治家たる者、言い憎いことを歯に衣を着せずにズバズバ主張している態度を強調」していたと思われます。ただ消費税10%なる数字が突然飛び出してきて何ゆえ10%なのかの根拠の説明が無かったことは唐突で本当にどこまで詰めた数字の結果なのかどうか心もとなさを覚えました。

麻生氏は@わが国は世界史上稀に見る一系の皇体継承国家で都度外国文明を取り入れて消化吸収して国力を発揚してきた資源に恵まれない人材のみを頼りとすべき国家であることを踏まえ、まずは憲法の改正。A日米合わせたGDPは世界全体の45%にもなることを踏まえて日米同盟を基軸とした世界のリダーシップを取れる国になるべきこと。B個人格差はやむをえない、地域格差は是正の要あり、とし国際競争力をつけてまずは経済成長ありき。経済成長あれば年金の破綻等の諸問題は解決できるとの確信を持ち、政治家たるものは30年後のあり得べき国家の姿を想定すべきこと。C両親に子供の教育が期待できなければ学校でやるしかない、義務教育をもっと低年齢からしても良いのではないか→教育改革の必要性D少子高齢化が深刻に叫ばれているが65歳以上で介護の必要とする人はたった15%、あとの85%は職さえあれば元気に働きたい人が多いのでその環境づくりが必要。印象としては祖父吉田茂氏を模範と仰ぎ先見の明とユーモアを解する名宰相ならんことを目指したい気持ちが実に良く現れていたと思います。ただし、簡単に経済成長があればとの話は言うは易くそれがいかに難しいことかを思えば方法論の説明も無く精神面のみ先行している印象を持ちました。

私自身は投票権を持つ自民党員ではありませんし、これから総裁選が始まると言えども既に自民党の国会議員の実質の70%は安倍氏の支持で固まっているとの情勢であるとの報道を踏まえて、もともと醒めた目と耳でこのテレビ中継を見ていました。何をどう言おうと政治家の評価というものは成された実績で決まります。小泉政権はとかく批判はあるものの独善的とも言える強烈なリダーシップの下に持論であった郵政民有化を成し遂げ小泉チルドレンをたくさん創出し自民党の議席を圧倒的に増やした実力はさすがであると思います。但し当面成し得た実力とそこから派生した麻生氏の言う30年後の国益がどうであったかは正に歴史の法廷が裁くものであるとも思います。でもそれを今見ることは出来ませんのでそれぞれの信念に従って全力を尽くしていただくしかありません。安倍氏、谷垣氏、麻生氏のお三方の政見は纏める時間が充分でなかった結果と思われますが既に熱意、と見識と信念ともに総裁の資格を充分備えていらっしゃると思います。自民党の人材の層の厚さを垣間見る思いもいたしました。

私なりに気になることを一つ申し上げたいと思います。お三方共に日米同盟を基軸として自主憲法の制定と経済成長を持続させて世界のリーダーたる国家たりうることにおいて一致していると思います。私もその点については本質的には異論を持たない人間の一人でもあります。米ソの二極間の対立の時代であった今までは、ソ連の崩壊に伴う勝ち組に日本は属していたことは政治の選択の正しさを物語っていると思います。(でもキューバ危機では正直言って肝を潰しましたね!これは決して忘れてはいけないことなのです。)

しかしながらイスラエルがその地に5000年も前に国家があったからという理由だけで武力でパレスチナを追い出して死に物狂いでその権益を護ろうとしている無茶な姿に米国が偏狭ともいえる肩入れをしている事実は世界の万民が納得する道理を持ちません。また自爆テロがいかに野蛮であることを理において説こうともアメリカのイスラエルへの姿勢そのものがそれと同じである以上怨みは決してこの世から消えることは無いと思います。従って、これからテロとの戦いはますます泥沼化して行くと思われます。そして世界の富を「競争力の腕ずくの名の下で独占して行こうとする」これからの日米同盟のこのままの姿は仮に現在の憲法のままであっても極めて危険な状態に既に入ってしまっていると思います。

そういう意味で北朝鮮を始めとしてまだまだ一皮めくれば無茶苦茶な国が多い中で専守防衛に徹した軍事力を保持できる自主憲法を早く正々堂々と制定し日米同盟なくても武力においても独力で歩いていけるように立て直して、徐々にイスラエルと抱き合い心中の様相を呈している危ないアメリカ一辺倒から離れて行く必要もあろうかと思われます。麻生氏は経済成長に望みを託してまたぞろ誇り高き坂の上の雲の明治の幻を夢見ていらっしゃる節を感じますが、「Boys be ambitious!」などと子供のような無理を言って国家に背伸びをさせずに、経済成長に無理があるならば、それなりの力に応じたそれなりの安全な国家を目指すことが地道で大切なことであると思います。日本は何も無理してライオンにならずとも良い。針鼠が己にとって幸せな道であるならば少しは不細工であってもそれで充分ではありませんか?

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コメント(5件)

内 容 ニックネーム/日時
蔓長けて二百二十日の朝ぼらけ たか志

60歳を過ぎた世代の関心としては、
第一に老後の暮らしの安定(このところの社会福祉の改悪は想定外)、
二に社会の安定(希望が持てない若者・投げやりの人心の荒廃)、
三に国際社会とのあり方(日本は国際社会で必ずしも評価されていない。昔:中国、明治:ヨーロッパ、今:アメリカと盟主に従属する国でしかない。)
成熟した?社会の運営は日本にとって未知数。ならばこれからがある若い方に負かすしかないかとも思う。
老司たか志
2006/09/11 09:29
老司たか志さま
私は想定外の社会福祉の改悪も刹那的な利益を欲しがった衆愚に迎合した過去の為政者の放漫施策の帰結でもあったと思います。孫、子の世代のことまで考えて、たとえば植林のようなことに力をいれ常に遠くを見つめていた先人の偉大さに習う政治家の出現を待望したいと思います。
寛人
2006/09/11 20:08
ホオジロさんの今回の文の最後:「日本は何も無理してライオンにならずともいい。ハリネズミで充分ではないか」とのご意見に大賛成です。日本は本来貧しい地味な国です。国民性も(どちらかというと)目立ちたがり屋ではなく万事に控えめ。でも正直、実直、真面目など
宝物のような気質を持っています。私達はもう充分に贅沢を知りました。時々の贅沢は心を潤しますが過剰な、果てしない物欲は心を貧しくさせるだけ。生前の両親がよく言っていた「身の程を知る」「身の丈にあった暮らしをする」という言葉が最近、胸に染みます。
無理な経済成長は諦め、ほどほどで満足する、仏様の教えという「足るを知る」の精神で暮らせばいいと思います。18世紀から19世紀に生きたイギリスの詩人、ワーズワースも同様なことを言ってますね。「暮らしは低く、志(想い)は高く」と。豪華絢爛ではなく「地味だけどきらっと光る」そういう日本、日本人でありたいと思います。




美枝子
2006/09/12 15:02
こんにちは。トラックバックありがとうございます。
自民党総裁選は、これからの日本に多くの影響を及ぼすであろうことはまちがいないと思います。この点に関して、私たちも独自の立場から情報提供していきたいと思っています。
かえるネット京都事務局
URL
2006/09/12 16:56
TB有難うございます。
三名の候補者の主張の要点を、わかりやすくまとめておられますね。
助かります(笑)
私個人としては麻生さんに是非という思いがあるのですが、私も自民党員で無いもので(笑)。

谷垣さんはハニートラップの噂もあり、中韓外交の建て直しと言い、むしろ靖国問題で外交を空白にしているような表現がありますが、尖閣、竹島問題等を引き起こしているのはむしろあちらなので、現状での、両国に対する日本の姿勢は何の問題もないと考えています。ゆえに一番総理になって欲しくないのが谷垣さんです。

また寄らせてもらいます。
とんぼ
URL
2006/09/12 18:59