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チェロ奏者の水谷川(みやがわ)優子さんはドイツ、フィンランドを本拠地にして精力的に国境を越えて活躍されていらっしゃいますが、この8月23日に「ソルヴェイグの祈り」という彼女にとって2枚目のCDがヴィクターからリリースされました。グリーク作曲の「ペールギュント」組曲を主体に10曲、シベリウス作曲のものが6曲、合計16曲から構成され、フィンランドのマルテイン・ラステイスさんのやわらかで心やすらぐピアノ演奏と一体となった大変すばらしいチェロの演奏曲集です。 私が水谷川さんに初めておめにかかったのは鎌倉市内のあるパーテイ―でご一緒させて戴いた時でした。その会場で初めて彼女の奏でるチェロを拝聴した時にその響きのやさしさや艶やかさにいっぺんに魅了され、爾来フアンの一人として彼女の帰国時の東京地区での演奏会によく出かけています。 水谷川さんは帰国されますと彼女自身の主要なコンサートのほかに少年院や障害者福祉施設等へのボランテイアのコンサート活動も積極的にこなしていらっしゃいます。先に同じくヴィクターからリリースされた「歌の調べのように」のCDを聴いてもよくわかりますが美しい水谷川さんのチェロの響きは苦しみで硬く閉ざしてしまった心をやさしく溶かし、安らぎに導く、驚くような特殊な効果を私は強く感じます。本当に不思議です。私自身はこの「歌の調べのように」のCDの全曲を i pod に入れて精神的に疲れたような時に取り出して聴いています。こちらのCDはブラームス作曲の「歌の調べのように」を皮切りに全部で18曲入っていますが、とりわけ彼女自身のお祖父様にあたる近衛秀麿氏が作曲された子守歌である「ちんちん千鳥」の演奏は絶品です。彼女のお祖父様を慕うお気持ちが演奏によく込められていると思います。 さて、「ソルヴェイグの祈り」のCDですが来年がグリーグ没後100年、シベリウス没後50年にあたることからこの北欧の2名の作曲家の名曲を特集したようです。私自身はまだ北欧を訪ねたことはありませんがこれらの曲を聴きますといかにも本や写真集で見聞きする北欧の深い緑と澄んだ湖からの静けさの世界から生まれ出てきた魂そのものがこの曲集の中に息づいている気がします。水谷川さんの演奏は本当に心やさしいのです。旋律がやさしくて心を打つのです。曲を聴いていると水谷川さんに導かれて透明な湖のような北欧の大地の魂の中に自分の魂がだんだんと沈み込んで行き深い湖の底で両者の魂が融合してしまうような感じがいたします。どうしようもないやるせなさと祈り、そして透明感ある魂のやすらぎ、これらをチェロの調べでやさしく見事に表現された作品だと思います。是非みなさまにもお奨めしたいと思います。 |
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